けんもりブログ
2013.09.04
KENMORI-BLOG
吊舟草
県民の森周辺では、ツリフネソウの花が花期を迎えています。
林のふちや道端の、やや湿ったあまり明るくないところに群落をつくる草本で、
以前にご紹介したキツリフネと同じ仲間です。
横から見るとこんなかんじ。
黄色地にオレンジ模様のキツリフネと比べて、濃ピンクの地に白・黄色・赤の模様と、なかなか華やかな花ですね。
県森ではお盆過ぎに咲きはじめる晩夏の花のイメージなのですが、今年は花期がやや遅く感じ、9月に入ってようやく目立ち始めました。
ところで、この花の面白いのが、花のうしろの距(きょ)がくるんと巻いていること。
これこのように、つぼみのもちゃんと巻いています。
とっても可愛いですね♪
なお、キツリフネは、このように距が巻いていません。
(既出画像ですがご容赦ください)
ここに蜜が入っているのですが、この巻いた奥まで口吻のとどく昆虫でないと、蜜が吸えないしくみ。
花の奥まで顔を突っ込んでもらって、花粉を体にたっぷりつけて運んでもらおうって魂胆ですね。
ただ、花の横からかじって穴をあけ、蜜だけ吸って行ってしまう「盗蜜(とうみつ)」という行動をする昆虫もいるそうで、花と虫の関係もなかなか一筋縄ではいかないようです。
ちなみにホウセンカの仲間なので、同じように熟した実のさやは、指で触ったりするとパチンパチンとはじけて種を飛ばします。
この種飛ばしは子供も大人も夢中になってしまうので、これからの季節、ガイドハイクでの重要なネタになるのであります(笑)
(遠山)