けんもりブログ
2014.11.23
KENMORI-BLOG
熊棚あった!
先日、ミツモチ登山道のほうまでスタッフで、クラフト材料を集めに行ったときのことです。
みんなが一所懸命、材料を拾っている間も、案内人2号は頭上をキョロキョロ…
とあるものを探していました。
あった!
葉の落ちたミズナラのこずえに、葉がついたまま折れてたれさがっている枝が何本も。
木の周りには、折れた枝が積み重なっています。
風のせい?
なにかの気象現象?
いえいえ、これは「熊棚(くまだな)」。
ツキノワグマのお食事の痕なのですよ(*^-^*)
ミズナラ、ブナなどドングリのなる木によく見られるフィールドサインで、樹上でツキノワグマが実を食べることによってできます。
細い枝先のドングリを、食べやすいように引き寄せようと、枝を噛み折ったもの。
たいていは、こうやって下に落ちたり、折れて垂れ下がっているだけのことが多いのですが、たまに鳥の巣や足場みたいに重なって残っていることもあるので「熊棚(くまだな)」と呼ばれているそうです。
枝の先には、殻斗(=ドングリの帽子)だけが残されています。
ちゃんと歯の痕もついてますね~
枝の先を検分中の、案内人2号。
初秋からずっと探し続けていたものなので、やたらハイテンションになってしまいました(笑)
これが噛み折った切り口。
こちらも歯型や爪痕が残っています。
折ったというより、ねじ切ってますねー
相当固いナラ材を、こんなふうにねじ切ってしまうなんて…
すさまじいアゴの力。
もちろん、幹には深々と爪痕が残されていました。
でも、このアゴの力も鋭い爪も、こうやって堅果類を採ったりアリ塚を壊すためのものということです。
実は、毎年けっこうミツモチでも見つけていたのですが、今年はさっぱり見つからず、「熊が山にいなくなったのかな…?」と心配していたのでした。
葉が落ちたから、見つけやすくなったようです。
今年は人里での目撃増えているというし、出会うのは怖いですが、こうやって本来の生息圏で生活痕を見ると、嬉しくなりますね。
いつまでも、この子たちが安心して暮らせる、豊かな山でありますように。
(遠山)