けんもりブログ
2013.10.05
KENMORI-BLOG
草葉のかげの星たち

秋も深まってまいりました。
ここのところ、肌寒い朝が続いている県民の森です。

昨日から時折、小雨が降っていて、ウメバチソウが雨粒を宿していました。
先日はウメバチソウの開花をお伝えしましたが、そのほかの秋の花たちも、つぎつぎ花期を迎えています。

リンドウも、周辺で咲いています。
特に、育樹祭会場周辺の遊歩道コースで、よく見られます。
このあと、ミツモチ山登山道にも咲き始め、リンドウ前線が山を登っていくでしょう。

ゲンノショウコの実がはじけて、くるくると巻いていました。
まだ見たことはありませんが、はじける勢いで種が飛ばされるのだそうです。
右の方にはじける前の実がありますが、まるで剣か燭台みたいですね。
民間生薬としても有名で、昔から胃腸の薬に利用されていますね。
名前の由来は、薬効あらたかなことから「(良く効くことは)現の証拠」という意味をもって呼ばれた、という説が強いようです。

ちなみに花はこんなかんじ。
どこにでも咲いている1cmほどの小さな花ですが、そこはフウロソウの仲間、やはりアップで見ると綺麗です。
(2013.08.13日光市湯ノ湖で撮影)

民間生薬として、もうひとつ有名な花がセンブリ。
そろそろ咲く頃かな?と思って探して見たら、ありました、ありました♪
草葉の陰でひっそりと咲いています。

こちらにも。
草丈が低いのであまり目立ちませんが、探すつもりでよーく見ると、あちこちに咲いています。
リンドウと同じ仲間で、これも胃腸薬として人気の薬草ですね。
ものすごく苦く、「千回振っても(煎じても)まだ苦い。」という例えから、この名がついたという説が有名です。
ためしに葉っぱを噛んでみましたが、後を引く苦さ…(>_<)

こんな見事な株も。
これも1.5cmほどの小さな花ですが、まるで星が地上にばらまかれたかのような可愛らしい姿なので、案内員2号は秋の花の中で一番好きです。
ただ、薬草としての人気が高すぎるのか、群生があっても根ごと大量に摘み取られていくことが多く、年々その姿を消している花でもあります。
花の時期を過ぎても薬効は変わらないということですので、種が落ちた後に採取されることをお願いしたいと思います。
この可愛らしい花が、いつまでも皆様の地域で観られますように。
(遠山)
※なお、「栃木県県民の森条例」第五条により、県民の森構内での植物採取は禁止されています。