けんもりブログ

2013.10.07

KENMORI-BLOG

昆虫たちの秋 アサギマダラ

 


今日は関東一円で気温がやや高めのようですが、県民の森は本格的な秋の風が吹いております。 

 
ナツツバキの葉もすっかり紅葉しました。 

 
秋といえば、赤トンボ。 
森林展示館下の池にも、アカネと付くトンボの仲間がたくさん訪れます。 

このミヤマアカネも、そのうちの一種類。 
夏からこの時期にかけては、大きな群れになるアキアカネに混じって、ひときわ瑞々しい朱色の目立つトンボがいたら、ミヤマアカネの成熟した雄です。 

 
先日、ガマズミの実を撮っていましたら、なにやらゴソゴソと動く影が。 
コロリと丸っこくて、白黒に桃色の模様のある、可愛らしい昆虫でした。 
トロリとした秋の午後の日差しに、キラキラと光っています。 

調べたら、アカスジキンカメムシというカメムシの仲間の幼虫ということ。 
体長は8mmほど。模様から、5齢幼虫(4回脱皮した幼虫)らしいです。 
成虫は「虫の宝石」と呼ばれ、強い緑の金属光沢に赤いラインの入る、とてもきれいなカメムシです。 
(ちなみにカメムシ臭は出さないらしい) 

成虫は知っていましたが、幼虫もこんなに可愛いとは知りませんでした♪ 
 
そして今日、八方ヶ原に近い少し標高の高いところ(900m付近)での自然情報収集中に出会ったのが、こちらの蝶。 
アサギマダラです! 

秋を迎え、高山帯から降りるところか、それとも南の地方へ渡る途中で立ち寄ったのでしょうか? 

周りをサラリと見渡しただけで、7頭確認できました。 
アザミの花から花へ、蜜を吸いながら移動していました。 
大きめの蝶が、ハラハラとゆったり飛ぶ様子は、とても優雅です。 
前翅の褐色模様のあいだは、名前のもとになった淡い水色=浅葱色(あさぎいろ)で、これがまた美しい蝶です。 
(残念なことに案内員2号のカメラの腕がヘッポコなので、色が飛んで白っぽくしか写っておりませんが…) 
 
ちなみに、こちらは雄だそうです。 
アサギマダラの雄は、このように後翅の裏側(閉じた時に表に見える面)に、「性標(せいひょう)」と呼ばれる黒斑があり、雌には無いということ。 

 
ということは、こちらは雌ですね。 


アサギマダラは、時に1000㎞以上も異動するような遠距離の渡りの習性があるため、各地での研究情報を共有するネットワークが組まれているそうです。 
それを想うと、ハラハラとはかなげに飛ぶ姿も、たくましく見えてきます。


(遠山)

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