けんもりブログ

2013.10.20

KENMORI-BLOG

リンドウ科3種 地上の星を花と呼ぶ

 

台風が去った後、急に冷え込んだ県民の森です。 
昨日10/19には、森林展示館周辺でユキムシの飛翔も確認。
紅葉はまだなのに、森も高原も、一気に晩秋の雰囲気がしてまいりました。
構内では、リンドウ科の仲間たちが、お星さまのような花を咲かせています。 
 
昨日、みつけたアケボノソウ。 
少し湿った日当たりのよい場所に咲きます。 
群落のほうは残念ながら、ピークを過ぎて種がなりはじめていたので、これは少しみなより遅れた株だったよう。 
 
花冠は5つに裂けて、それぞれに萌黄色の斑点が二つ。
これは蜜腺だと言われています。 
この模様と暗紫色の小さな点々を、明け方の空の星に見立てて「曙草」。 
花自体も名前の由来も、なんとも可愛らしい花ですね。 
10/5の投稿でもご紹介したセンブリも、ピークを迎えています。 
(10/5既出の画像で失礼します。) 
 
これも花冠は5裂。 
5枚の花弁があるように見えますがく、実は深く5つに切れ込んでいるのだそうです。 
なお、センブリは前回でもお話しした通り、薬効があるということでとても人気のある民間生薬ですが、採りすぎで姿を消した地域が増え続けている種です。 
昔から、花の時期に全草を採ってきて干す習慣がありますが、2年目に花をつけて種を落として枯れるという草なので、花の時期に採ってしまうと種子を残せず全滅してしまいます。 
種を落としたあとでも薬効は変わりないということなので、みなさんの地域の財産を守るためにも、できる限り花の時期に採らないことをおすすめします。 
 
リンドウはこれからが最盛期。 
来週のミツモチ登山では、山道に咲き誇るリンドウたちをお見せすることができると期待しています。 
(画像はいずれも昨年度撮影)
 
リンドウだと、花弁が5枚でなくて、5裂しているのがよくわかりますよね。 
 
他の2種とちがって面白いのが、つぼみがねじった形になっていること。 
ミサイルのようで面白いです。 
このとおり、リンドウの仲間は5裂なので、まるで星のようですね。 
特にセンブリなんかは、地上に白い星が散っているようで、とても可愛らしいです。
 (ただし、センブリやアケボノソウだと、4裂のものも多く混ざっています。)
(遠山)

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