けんもりブログ
2013.10.24
KENMORI-BLOG
紫色の実

赤い実の多い秋の実りのなかで、たまに紫色の実に出会います。
その名も「紫式部(ムラサキシキブ)」。
なんとも気品のある古代紫の色合いです。
こちらは、近い仲間のコムラサキ。
園芸で「ムラサキシキブ」と呼ばれている場合、こちらのほうの事が多いようです。
どちらも雑木林の明るいところに生育し、実も同じような紫色であることから、混同されやすいようですね。
この2種を見分けるための明確な違いは、
(1)花柄の位置
ムラサキシキブ: 花柄が葉柄のほぼ付け根から出ている
コムラサキ: 花柄は葉柄から数㎜離れた所から出ている
(2)葉の鋸歯
ムラサキシキブ: 鋸歯は葉のほぼ全縁に、小さく細かくついている。
コムラサキ: 鋸歯は大きめではっきりとしているが、葉の先から半分ぐらいまでしかない。
あとは、写真でもわかるように、全体的にムラサキシキブは樹も葉も大きめで、実はまばらにしかついていない感じ。
コムラサキは実がびっしりと固まって生り、全体に実も葉も左右対称にきれいに並んで、グラデーションがかかっているようです。
一見、よく似た植物でも、こうやって細部を観察すると、全く違った特徴が見えてきて楽しいですね。
(遠山)