けんもりブログ
2013.12.09
KENMORI-BLOG
赤い実 青い実 黄色の実
一昨日12/7は二十四節気の「大雪(たいせつ)」。
早朝の気温も氷点下が通常になり、霜柱をサクサクとふみながらの出勤です。

ノイバラの実が、真っ赤に色づいています。
いわゆる「ローズヒップ」ですね。
野鳥がたまに食べているのを見かけます。
バラ科バラ属の実全般を「ローズヒップ」と呼ぶらしいですが、お茶など食用にできるビタミンCが豊富なものは、品種が限られるようです。

ノササゲの実も、すっかりカラッカラに乾いてしまいました。
種子の大きさは5㎜足らずの小さな豆ですが、実ったばかりの時は、さやが紫色・種子が濃紺色と、とても気品のある美しいマメ科です。

先月、ミツモチ登山道で見つけたヤドリギ。
台風で折れた枝についていたので、放っといても枯れるだけだからと、回収。
11/24森の集い「クリスマスリースづくり」に素材として出したら、大人気でした。
「寄生木(やどりぎ)」の名前のとおり、他の高木に寄生し、栄養をもらって生きている樹木です。
葉が厚く、枝も規則正しい対生で、なんだか海藻みたいに見えますね。
実は透明感のある白~薄い黄色で、冬の遅くまで枝についていて、野鳥たちの冬のたいせつな食糧になっています。
野鳥たちに実を食べさせて、消化されなかった種を糞とともに高い木の枝に撒いてもらう、というのがこの木の繁殖戦略だそうです。
果肉にはとても粘りがあり、枝に糞がついたときもこの粘り成分で、種が容易に剥がれ落ちないようになっているようです。
ちなみに、赤い実のなる品種は「アカミノヤドリギ」と呼ばれ、県民の森では両方が観られます。
ところで、ヤドリギには、クリスマスに関するとても素敵な言い伝えがあります。
知りたい方は、ぜひ「ヤドリギ Kissing Ball」でWeb検索してみてください。

陽だまりで、ヒヨドリジョウゴの仲間が、赤い実を宝石のように光らせていました。
ナス科のヒヨドリジョウゴにはヤマホロシ、マルバホロシというよく似た仲間がありますが、ヒヨドリジョウゴは全草に軟毛があり、後者2種にはほとんどなし。
画像のは毛が見られなかったので、ホロシ2種のどちらかかもしれませんね。
いかにも美味しそうな外見ですが、ジャガイモの芽と同じ「ソラニン」という毒成分を含んでいて、人間は食べられません。
ちなみにヒヨドリジョウゴは「鵯(ひよどり)上戸」と書き、ヒヨドリが大好きでパクパク食べる、という意味らしいですが、じっさい野鳥はあまり食べないらしく、冬の遅くまで残っているのが観察できます。
(遠山)