けんもりブログ
野菊4種
日が暮れるのが早くなり、どこからか聞こえてくるコオロギの声がなんともセンチメンタルにさせる季節。
気がつけばあちらこちらに野菊たちが競うように咲き揃ってきていました。
これらも例年、少しかじってはお手上げだった花なので、この機会に一度整理してみたいと思います。
県民の森で代表的な野菊は以下の4種類です。
今回はこの4種を比較・確認してみます。
構内でもっとも目につくのが「ユウガギク」。
舌状花は基本的に白色。淡青紫色を帯びるものもあり。
頭花の大きさは2.5cm前後。
茎は上部で広く分岐し、やや長い花茎に頭花がひとつずつつきます。
シルエットはスッキリした印象。
葉は薄めでしっとりした感じ。
浅く切れ込みが入る上のような形が多いですが、変異が多いです。
下部の葉は切れ込みが深く入るものもあります。
花が終わると特徴が際立ちます。
キク科の種子に特有のふさふさした綿毛がほとんどありません。
花を分解してみると舌状花や筒状花の冠毛はごく短くて、ほとんど確認できないほど。
4種の中で冠毛が短いのはユウガギクだけ。
(ヨメナ属として、他の3種のシオン属と分けられることも有り)
近縁のカントウヨメナの舌状花は青紫色のものが多く、ユウガギクより葉が厚く大きな鋸歯がある
県内の平地にはカントウヨメナも多いですが、県民の森構内ではほとんど見られないようです。
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次に目立つのが、淡青紫色の「ノコンギク」。
直径2.5cm前後でユウガギクと同サイズ。
茎の上部でよく分岐し、短い花茎に多数の頭花をつける。
開く前の花弁はピンク色が目立つ。
葉は両面に毛があり、ざらつく感じ。
ユウガギクの葉と比べると明らかに異なる。
太い側脈があって3行脈になることが多い。
白っぽいノコンギク。
淡青紫色のユウガギクもあるので、花の色だけでは紛らわしい。
花が終わると綿毛があらわれる。
花を分解すると、長い冠毛が確認できる。
4~6mmと4種中で最も長い。
「シロヨメナ」はノコンギクの亜種。
レンゲショウマの分布と重なる場所でよく見られる。
頭花は直径1.5~2cmほど。
他の野菊より一回り小さい。
下部の葉は、基部が3分の1ほど細くくびれる。
冠毛は4mmほど。
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最後に「シラヤマギク」。
白い舌状花がまばらにつく。
花の様子だけでほぼ見分けられそうです。
葉は基部が翼のあるように見えるものがある。
下部の葉ほど大きくなり、手のひらサイズになるものもある。
冠毛は3.5~4mm。
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これらの仲間は大きさや色など個体差があり、交雑種も存在するので、ひとつの目安として参考になればと思います。
(アクツ)