けんもりブログ

2016.09.26

KENMORI-BLOG

秋分過ぎの森と花

気づけば秋分も過ぎていて、森ではすっかり本格的な秋がはじまっていました。

草むらの虫の声。

はるか上空をからみあうように飛ぶ、小さな渡り鳥たちの群れ。

展示館周辺でも、日に日に、カケスの声が増えています。

秋ですねー

遊歩道の緑も、心なしか色調が柔らかくなっている感じ。

9/15には、渓流の妖精・ダイモンジソウの開花を宮川で確認。

遊歩道で見つけた、ウリハダカエデの黄葉。

今年はクリが豊作でしょうか。

例年はあまり落ちていない樹の下でも、今年はぷっくりとした大粒がたくさん落ちています。

クリ好きの案内人2号としてはとても拾い集めたいのですが、遊歩道のは山の動物たちに置いておきたい。ガマン、ガマン。

オオバショウマの長い花穂も、林の縁で目立ち始めました。

真っ白な瓶ブラシのようですね。

おっと、ヤマトリカブトも咲きはじめています。

しっとりした紫色の、落ち着いた気品のある花ですね。

毒性が強いことで知られるトリカブトの仲間ですが、生け花でも人気があるほど美しい姿をしています。

なかなかに面白い形をしたトリカブトの仲間ですが、名前の由来は鳥兜(舞楽の装束)や烏帽子に似ているから、と言われています。

こうやってアップで見ると、中もモサモサ毛が生えてて、鼻毛の飛び出したおじさんの鼻にみえるんですが。(笑)

(気品があるて言うたやん)

遊歩道でたくさん見られるキバナアキギリは散り始め。

「秋に咲く桐に似た黄色い花」ということで、「黄花秋桐」だそうです。

シソ科で園芸種のサルビアの仲間。

ところでこの花、面白い機能があるのです。

こうやって、そーっと棒を花に差し込んでみると…

おや?ナニか上唇弁から突き出してきましたね。

花粉のついた雄しべの葯(やく)でしたー

棒にピトッとくっついて、花粉を付けています。

どうやら、花の奥のほうを押すと、雄しべが飛び出す仕組みみたいですね。

実はこれ、蜜を吸いに花に潜りこんできた昆虫に雄しべを押しつけて、花粉を効率よく運んでもらうためだと言われています。

秋には、秋の美しい花。四季を通して彩りがあふれる森です。

のんびりお散歩にでもいらしてください。

(遠山)

けんもりブログ - 最近の記事

2021
01/19

昆虫達の冬の過ごし方

1月20日は一年で最も寒さが厳しい「大寒」。 池も時折、凍ります。 木々はたくさ…

2020
05/11

カタバミ

  庭の片隅や道端でもよく見かけるカタバミ。 かわいいハート3つの葉はクローバー…

2020
04/30

タネの運び屋

  風も暖かくなって、地表ではアリがせわしく歩いているようになりました…

森