けんもりブログ

2014.01.23

KENMORI-BLOG

木の実 草の実


 
 
栃木県全域に連日、乾燥注意報が出ています。 
山歩きの際は、火の元にいっそうの注意が必要な季節ですね。
 
大寒もすぎ、雪も降らず…
県民の森も、カッサカサに乾燥しています。
 
 
アザミの仲間の実も、カッサカサ。
 
アザミ類はキク科で、この塊が一輪の花のように見えますが、頭状花序(とうじょうかじょ)といって花の集合体です。 
種子も、多く同じキク科のタンポポみたいに、綿毛をつけます。 
 
 
ふと上を見ると、ヤドリギの実がたわわに。 
森林展示館周辺では赤と白、両方の実色の品種が観られます。 
 
この実は、レンジャクの仲間の大好物。 
ヒヨドリに食べつくされる前に、はやく来てくれないですかねー 
 
 
山のほうで、イイギリの実も豊作でした。 
 
野鳥も好む実らしいですが、けっこう冬の遅くまでたくさん残っているのをよく見かけます。 
ナナカマドやガマズミも冬の後半までよく残っていますが、霜に当たったあとだと渋みが抜け、鳥たちも食べるようになると聞きます。 
 
イイギリも同じように食べごろがあるのでしょうか? 
 
 
ふたたび足元に目を向けると、コバギボウシの蒴果があちこちに。 
 
夏の間、県民の森一帯で可憐な紫色の花を見せるユリの仲間ですが、今は果実の殻が残るのみ。 
 
こういった複数の室を持つ裂状の実を「蒴果(さくか)」と呼ぶのですが、ユリ科には蒴果をつけるものが多く、そしてまたその多くは、構造が3の倍数でつくられています。 
(ちなみにマメ科のように1室だけのさや状のものは「豆果(とうか)」と呼ぶそうです)
 
ためしに振ってみると、残っていた種が出てきました。 
黒くてペラペラと薄い種ですね。 
 
 
こちらはヤマユリ蒴果。 
同じユリ科で、これも3裂していますね。 
 
 
種はもう散ってしまって空っぽでした。 
 
バユリの蒴果とそっくりですが、ウバユリはこんなに柄が長くはありません。 
上から見たら、エイリアンか何かのようです(笑) 
 
オニドコロの実が、風に吹かれてカサコソと鳴っています。 
 
陽を受けるとキラキラと光ってきれいですね。 
 
近い種類のヤマノイモ、いわゆる食べられる山菜の「山芋」とよく間違われますが、根は苦すぎて食べられないとか。 
案内員2号の友人が試したそうですが、ものすごく苦くて、あと喉がピリピリとしたそうです。 
 
実は、オニドコロの根には毒が含まれていて、喉のピリピリ感はそれが原因なようですね。 
猛毒ではないらしいですが、口に入れたりしないようにお気を付け下さい。 
 
こちらはヤマノイモの実。 
 
それで両種の違いですが、  
 
右:オニドコロ=翼の形が細長い軍配型。繊維状の光沢がある。 
左:ヤマノイモ=翼の形が丸くてずんぐり。光沢はない。
 
並べてみるとわかりやすいですね。 
どちらも、ネイチャークラフトで人気のある素材です(*^_^*) 
 
 
(遠山)

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