けんもりブログ

2015.09.23

KENMORI-BLOG

ヒシバッタの秘密


秋の匂いが日に日に濃くなって、
展示館周辺ではキバナアキギリがそこここで咲いています。

ツマグロキチョウも新鮮な秋型が見られるようになりました。
コオロギたちの声がにぎやかな草むらを歩いていると、
トノサマバッタやショウリョウバッタが派手に飛び立ちます。
いつもならそんなバッタを追いかけたりすることもありますが、
今日は普段見かけても気にとめない
足元の小さなヒシバッタをゆっくり観察してみます。

菱形の背中がヒシバッタのゆえん。
一見甲虫のようにも見える固い背中は前翅ではなくて、
前胸背板が伸びたものとのこと。
ということはこの下に4枚のはねがあるはずですね。

はねを引き出してみます。
ヒシバッタが飛ぶイメージはなかったのですが、
なんとも立派なはねを持っているではないですか。
このハラヒシバッタの仲間は
背中が長いタイプと短いタイプがありますが、
これは長いタイプ。(最初の写真は短いタイプ)
長い背中には長いはねが、
短い背中には短いはねが格納されているようです。
1対の透明なはねはどう見ても後翅ですね。
とすると、あと1対のはね、前翅はどこにあるのか。

後翅の前に何か小さなものがついてます。長さは2ミリほど。
なんとこれが前翅、というかその名残りのようです。
固い前胸が伸びて後翅を覆ったことで前翅の役割を兼ねてしまい、
元々の前翅は必要なくなって退化したということなのでしょうか。。
ううむ、興味が尽きません。

閉じた時は体の側面にピタッとくっついています。
いやはや実に面白い!
(アクツ)
 
 にほんブログ村 アウトドアブログ 自然観察へ にほんブログ村  
 にほんブログ村 アウトドアブログ 自然体験へ にほんブログ村 

けんもりブログ - 最近の記事

2021
01/19

昆虫達の冬の過ごし方

1月20日は一年で最も寒さが厳しい「大寒」。 池も時折、凍ります。 木々はたくさ…

2020
05/11

カタバミ

  庭の片隅や道端でもよく見かけるカタバミ。 かわいいハート3つの葉はクローバー…

2020
04/30

タネの運び屋

  風も暖かくなって、地表ではアリがせわしく歩いているようになりました…

森