けんもりブログ
2014.03.10
KENMORI-BLOG
豪雪時のシカ
古い話題になり恐縮ですが、先月中旬の関東甲信越の豪雪のあとのことです。
大雪から一週間ほどたったある日の夕刻、まだまだ雪がうず高く積もったままの森林展示館玄関から外に出ると、鳥獣救護舎のほうから鳥獣保護員Mさんがちょいちょいと手招きしています。
(以下、2/22撮影)

なんだろう?と行ってみると、だまって裏の斜面を指さされています。
ん?

うわっ!シカがいっぱいいる!!
森林展示館~鳥獣救護舎うらの斜面は、数年前の全伐で草地になっているのですが、そこの上から3段目ぐらいまで、シカがびっしりいます。
ざっと見で100頭以上はいたはず。

ここの斜面は急峻だし、日当たりも良いので、雪が浅く地面も見え始めていました。
そこに出ている草を食べに来ていたのでしょう。
大雪の年には、よく観察される現象だそうです。
奥山が雪に埋もれて餌がないので、こうやって道路近くや日当たりのよい草地など、数少ない露出した地面を求めてシカが大集団になるのだそうで。
食べるのに夢中です。
よほどひもじいのか、こちらに気づかないのかな?

あ、気づかれた(^_^;)
みないっせいにこちらに耳を向けました。
実は一枚前の写真も、ちゃんと耳はこちらに向けていました。
気にしつつも食べるのをやめられなかったんですね~

このあと、数頭が「ピィッ」と警戒の声を出すと、わさわさと逃げ始めました。
といっても、逃げ切らず、すこし移動したらまた食べ始めました。
隠れる場所の無い斜面で、すぐ近くで人間が観ているからよっぽど怖いだろうに、この餌場に未練があるのでしょうか。
野性動物が自然の中で生きることの、厳しさを垣間見た日でした。
(このあとも、しばらく数日間、大きな集団を見ることができました。)
(遠山)