けんもりブログ

2014.05.04

KENMORI-BLOG

スミレいろいろ

 


宮川渓谷のカタクリも終了し、夏鳥も出そろい、早春が過ぎ去りました。 
日々、木々の新緑が深まる中、遊歩道の足元では可愛いスミレたちが最盛を迎えています。 

カタクリのように、あっというまに花期が過ぎて姿を消す春植物とちがい、スミレの仲間は花期を長く楽しめてよいですね。
国内でもスミレの仲間は数が多く、県民の森でも何種類かのスミレの花が観察できます。 

 <タチツボスミレ>
 
国内でいちばん一般的になじみのある、よく見かけるスミレ類かもしれません。 

 
淡い紫~青紫の花で、群生していることが多いですね。 


<シハイスミレ>
 
濃い赤紫色がかった小さな花を咲かせます。 
葉の背面(裏)が紫色なので「紫背菫(シハイスミレ)」と名付けられたそうです。

といっても、葉裏が紫色の種類は他にもあるので、それが決め手にはならないのですが。 


<エイザンスミレ>
 
多くは、大ぶりで華やかな花を咲かせる、人気のあるスミレ類です。 
花色も、白に近いものから、紫、濃いピンクがかったものまで変異が多く出ます。

 
解りやすい特徴はこちら。 
葉に細かい裂け目が入って、菊の葉のようになります。 
他にもこのような葉の特徴を持つ種はありますが、県民の森ではほぼエイザンスミレと云ってよいでしょう。 

 
こんな見事な株の塊も、ときどき見かけます。 


<マルバスミレ> 
白色系の大ぶりな花を咲かせます。 
少し花弁が縮れていて、フリルのようですね。 
全体に毛があります。 


このほか、スミレ、コスミレ、ヒナスミレ、シハイスミレ、マキノスミレ、アケボノスミレ、フモトスミレなど、10種ほどが遊歩道で観察できます。 

ちなみに、スミレ類の見分け方ですが、以下の部分をチェックしておくと調べやすいです。 

花…花色、距の形や大きさ、側弁の毛の有無、模様 
葉…形、裏の色、毛の有無、 
距(きょ)は花の後部の飛び出ている部分、側弁(そくべん)は花の中の横の2枚の花弁です。

なので、写真を撮る時は、花の葉の正面だけでなく後ろ側も撮っておくと、詳しい人に聞くときは便利ですよ。


(遠山)

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